01 / OVERVIEW
施療院とは何か
施療院とは、通常医療、薬、生活支援、カテドラ施療が交わる施設である。
医師、薬師、看護に携わる者、生活術士、記録官、非聖職者職員、施療聖約を持つ聖職者が、それぞれの責任で病床に関わる。
施療院は、病人を奇跡で治す場所だけではない。診断、処置、苦痛緩和、回復促進、告解補助、看取り、葬送への接続、呪いや邪祝の初期判断、聖具管理を担う。
READING GUIDE
本記録では施療院の役割分担を扱う。聖務院全体の組織、聖職階梯、退邪認可は後続記録に分ける。
02 / MEDICINE
通常医療は置き換えられない
医師は傷病を診断し、必要な処置を判断する。薬師は薬を調合し、毒、感染、痛み、回復を扱う。外科処置は肉体へ直接必要な処置を行う。
施療司祭が祈るから包帯を拒むことはない。聖水だけを薬の代わりに与えず、手術が必要なら祈祷を理由に妨げない。
通常医療を拒み、奇跡だけを求める施療は、カテドラの正統な施療ではない。
03 / SACRED CARE
カテドラ施療が担うもの
施療者は、痛みによる魂の沈み、死への恐怖、告解の必要、看取りへの移行、病床に残る穢れ、呪いや偽りの応答の徴候を扱う。
苦痛を和らげ、医療処置が届く時間を支え、病人と家族の祈りを分ける。治癒が成立しないなら、死を失敗として扱わず、看取りと葬送へつなぐ。
施療者は医師の代わりに病名を決めず、医師も魂の状態や偽神案件を単独で断定しない。
04 / DAILY SUPPORT
生活術士と環境
生活術士は、室温、湿度、清潔、水、照明、移動、軽い応急補助を支える。
これらは奇跡ではないが、施療の前提となる。病床が寒く、空気が悪く、水がなければ、肉体も魂も弱り、祈祷保持は難しくなる。
カテドラ聖務は、環境を整える外部職能を軽視しない。神意への祈りだけで、生活と物質の条件を無視してはならない。
05 / THREE PATHS
治癒・看取り・上位判断
施療院の病床は、治癒だけへ進むとは限らない。
回復促進と医療処置を続ける。治癒が成立しないなら看取りへ移る。痛みの消失が不自然で、聖具反応や同じ夢が重なるなら、邪染や邪祝の初期判断として上位聖務へ渡す。
施療院の役割は、すべてを施設内で解決することではない。どの道へ移すべきかを見誤らず、必要な専門と認可へつなぐことにある。
06 / RECORDS
病床は記録される
診断、薬、処置、祈祷、使用した聖具、対象者の意思、家族の状況、看取りへの移行、不自然な徴候が記録される。
記録は、医療と聖務のどちらが優れていたかを競うためではない。痛みがいつ変化し、祈祷と処置がどう重なり、どの時点で別の判断へ移ったかを残す。
病床全体に同じ夢が広がる、記録が同じ箇所で欠落するなど、施設そのものの異常を読むためにも必要となる。
07 / LIMITS
施療院は万能の回復施設ではない
すべての病が治るわけではない。死を避けられないこともある。強い邪染や場定着は、通常の施療院だけでは扱えない。
施療院を「聖職者がいれば必ず助かる場所」とすると、治らない者、看取られる者、通常医療を必要とする者が失敗として扱われる。
施療院は、奇跡を保証する場所ではない。肉体と魂を切り離しすぎず、複数の職能が責任を持ち、治癒、看取り、上位判断へ道を分ける施設である。
08 / SUMMARY
施療院を読むために
施療院とは、通常医療、薬、生活支援、カテドラ施療が交わる施設である。
奇跡による万能回復の場ではない。診断と処置、苦痛緩和、祈り、看取り、葬送、異常の初期判断を、それぞれの専門と記録によってつなぐ。
施療院では、治癒に似た偽りの応答が最も危険な形で入り込むことがある。正統な奇跡を装い、願いへ早く応えるもの。次記録では、偽神とは何かを扱う。